Arduinoで学ぶネットワークの基礎
Arduinoでネットワークを利用したプロジェクトを開発するには、ある程度ネットワークの基礎的な概念について理解する必要があります。
Internet Protocol(IP)とは?
IPはインターネットの基本的なプロトコルの一つで、これを利用することでコンピューターや他のデバイスがインターネット上で通信するためのアドレス(IPアドレス)を持つことが可能となります。
IPは次のような機能を持ちます:
- アドレッシング: すべてのデバイスにユニークなアドレスを提供することで、特定のデバイスをインターネット上で見つけ出すことができるようにします。このアドレスは「IPアドレス」として知られ、例えば「192.168.1.1」のような形式で表示されます。
- データ転送: データを小さなパケットに分割し、これらのパケットを目的地のデバイスにルーティングする役割を果たします。
TCP/IP 4階層モデル
このモデルはネットワーク通信をする際の工程を4つの層に分けて表現したものです。それぞれの層が具体的に何をしているのか、Arduinoでの例を交えて説明します。
1. ネットワークインターフェース層 (Network Interface Layer)
- 概要: Arduinoが物理的なネットワーク(例: Wi-Fi、イーサネット)との間でデータをやり取りする層です。
- Arduinoの具体例: EthernetシールドやWi-Fi対応のESP32ボード自体がこの層に該当します。
2. インターネット層 (Internet Layer)
- 概要: データを送る目的地(IPアドレス)を決め、適切な経路でデータを送るための層です。
- Arduinoの具体例: ArduinoでのIPアドレスの設定や、特定のIPアドレスへのデータ送信がこの層に関連します。
3. トランスポート層 (Transport Layer)
- 概要: データのセグメンテーションや、エンドツーエンドの通信の確立を担当。TCPやUDPといったプロトコルもこの層で動作します。
- Arduinoの具体例: TCPやUDPを利用してデータを送受信する際の動作。
WiFiClient
やEthernetClient
クラスの利用もこちらに該当します。
4. アプリケーション層 (Application Layer)
- 概要: エンドユーザーが直接使用するアプリケーションや特定のアプリケーションプロトコル(HTTP, MQTTなど)がこの層で動作します